創業融資で新規事業を立ち上げる

この記事を書いた人
工藤聡生

公認会計士・税理士
元銀行員、20年にわたり、創業融資、銀行融資、VCからの資金調達を支援てきました。資金調達の累計額は、100億円以上です。

新規事業をやるといってもなかなか銀行はお金をかしてくれません。
銀行からすると、既存事業がろくに儲かっていないのに、新規事業になんか金は貸せないといったところでしょう。
しかし、社長というものは、元来、豊富な発想の持ち主が多いので、銀行の保守的な発想は、大きな足かせとなります。
新規事業立ち上げのためのうまい資金調達の方法が、あります。

実は、創業のときだけでなく、すでにある企業が新しい事業を立ち上げるときにも、創業融資は、使えるのです。
新しく会社をつくれば、創業扱いになります。
単純な話です。

新たな事業のための、新たに会社を作る場合にも、創業融資は、利用できるのです。

しかも、経営経験がある企業家が申し込むので、最初のときの創業融資よりも、有利な面もあります。
創業融資の金利はわずか2~3%程度です。
よほど放漫な経営をしない限りは、金利を上回る利益が出ます。
アイディアの豊富な経営者なら、アイディアの数だけ、儲かる別会社をもつことができるのです。

ただ、創業融資をひっぱるためには、乗り越えなければならないハードルがあります。
それは、既存の会社からの独立性です。
審査担当者は、新規事業のために借りたお金を、既存の会社の赤字填補に使うのではないかと疑ってきます。
実際に、新会社で借りたお金を既存事業に流用して返済できなくなってしまい、会社を倒産させる社長は少なくありません。
新事業が、財務的に別個に管理されており、キャッシュフローが独立していることをうまく説明する必要があります。
裏返して言えば、既存の会社のキャッシュフローがうまくまわっており、赤字填補に流用されるおそれがないことを証明する必要があります。
既存会社の資金繰り実績と計画、及び新会社の資金繰り計画を作って、新会社の財務的な独立性をアピールすれば、この流用するのではないかという審査ポイントは、乗り越えられます。
難しい作業ではありません。

審査担当者は、納得できなければ、躊躇なく、否決します。
否決理由をいちいち借入申込者に説明する義務はありません。
これは、普通の融資実務と同じです。
ですから、積極的に説明していく必要があります。
流用の危険性がないことを客観的な資料でアピールするのです。
金融機関は、よい疎明資料がないと貸してくれません。
稟議の過程で誰かに否決されてしまうのです。
疎明資料の提出はとても大切です。
資金繰り表は、自社の現状分析および今後の対策にも役だちますので、経営管理上も有用です。
もともと、会社の生き残りのためには、あったほうがよい分析資料なので、作成を面倒くさがるべき資料ではありません。
自信のあるアイディアがあれば、創業融資を何度でも使って、御社の事業を多角化しましょう。

general

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