公認会計士・税理士
元銀行員、20年にわたり、創業融資、銀行融資、VCからの資金調達を支援てきました。資金調達の累計額は、100億円以上です。
創業融資は、開業前の方が借りやすい?
- 起業を考えています。
起業時の融資は、開業前の方が借りやすいと友人から聞きました。
とても意外な話でした。
開業してからでないと、銀行もチェックができないので、開業してからの申し込みかと思っていました。
本当でしょうか?
逆に開業してからだと借りられないのでしょうか? -
開業前でも開業後でも申し込みは可能です。
また、借りやすさにかわりはありません。
ただ、会社の場合は、法人格がないと申し込みができないので、融資の申し込みは会社設立後となります。
設立後であれば開業前でも開業後でも大丈夫です。ただ、開業後6ヶ月経過すると実績が問われます。
試算表の提出が求められ、そこで示されている開業以来の業績が思わしくないと融資を謝絶されてしまうおそれがあるのです。
その意味では、開業後6ヶ月以内に融資の申し込みをするべきでしょう。
会社の場合は、設立後6ヶ月以内です。
このことが誇張されて、開業前の方が借りやすいといううわさにつながっているのでしょう。
実際には創業後6カ月以内であれば、開業前でも開業直後でも、審査に影響はありません。創業向けの融資は、公的な融資制度しかありません。
主に利用されているのは、日本政策金融公庫と制度融資です。
銀行は、創業者向けにプロパー資金は貸し付けません。
公的な融資制度とはいえ、申し込めば必ず貸してくれるわけではありません。
自己資金、信用情報、事業経験、創業計画書の精度が問われます。
創業総資金の少なくとも25%ぐらいの自己資金をためていないと開業準備が不十分とみなされ、ほとんどの場合に融資を謝絶されます
信用情報に傷があると謝絶の可能性がかなり高くなります。問題は傷口の程度です。債務整理や度重なる遅延があるとほぼ謝絶されます。
また、創業する事業に関して事業経験が十分にない場合も謝絶される可能性が高くなります。
さらに、創業計画書において、ビジネスモデルの明確さ、強み、売上計画の信頼性、人件費・経費計画の信頼性、資金使途の明確性、返済計画の確からしさをアピールする必要があります。
創業計画書をおざなりに書くと謝絶される確率が高まります。
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