設立2期目で赤字です。事業資金が足りないので、創業融資を借りたいと思っています‥

この記事を書いた人
工藤聡生

公認会計士・税理士
元銀行員、20年にわたり、創業融資、銀行融資、VCからの資金調達を支援てきました。資金調達の累計額は、100億円以上です。

設立2期目で赤字です。
事業資金が足りないので、お金を借りたいと思っています。
希望額は1,000万円です。
借りられるでしょうか?
また、どんな資料の提出を求められますか?

赤字決算なので、そのまま決算書を出しても借りられる可能性は低いです。
いくつかの対策を講じる必要があります。

起業から2期目なので創業融資が借りられるのではないかと思われる方がいます。
確かに、要件的には、創業融資の対象ですが、実際の審査は創業企業としてはみられません。
創業融資は、青写真だけで貸してくれるので、審査は比較的に甘いのですが、御社の場合には、すでに事業を開始して1年間が経過していますので、実績をベースとして判断されます。
将来の青写真だけでは、お金を貸してくれません。
決算書と最新の試算表の提出を求められ、過去1年間の経営成績と現在の財務状況を見られてしまいます。

赤字補てんのために借りたお金を使うためではないかという観点からチェックされます。
赤字補てんと判断されたら貸してもらえません。
ですので、しっかりとした説明資料を準備しなければなりません。

まず、事業計画書は、必ず作成してください。
事業計画書は、損益計画と資金繰り計画から成り立っています。
事業計画書作成の最大の目的は、赤字補てんのための資金調達と思われないようにするためです。

初年度に赤字だった理由を明確にした上で、2年目に黒字を達成するシナリオを明確にしてください。
売上増大、付加価値商品による粗利改善、経費削減等の具体的かつ積極的な対策を記述して、それを事業計画に反映してください。
売上増大のシナリオはなかなか信じてもらえないので、直近の月次売上が改善していれば、最新の月次決算書を会計事務所に作ってもらって添付した方がよいでしょう。

次に資金繰り計画上で、資金の使途と返済計画を明確にしてください。
まず、使途です。
何のためにいくらが必要なのかを明確にしましょう。
決算書が赤字ですので、『できるだけ借りたいのですが‥』なんて、あいまいなことを言ったら絶対に貸してくれません。
必要な金額を明確にして、将来の売上を生み出すために、運転資金や設備資金として使うことを資金繰り計画上で明確に示してください。

資金使途が、設備投資であれば、設備の仕様を明確にして、見積書を添付してください。
損益計画と資金繰り計画で、設備投資がどのように将来の収益に跳ね返ってくるのかを明確にしてください。

使途が、運転資金の場合は、明確な目的をもった在庫投資、契約に裏付けされた売上のためのつなぎ融資でなければなりません。
これも、損益計画、および資金繰り計画で明確に示してください。
運転資金の場合は、見積書の提出を求められませんが、資金繰り計画を作らないと資金需要が明らかとなりません。
甘く見て口頭で説明してもわかってもらえるだろうなんて考えると断られます。

次は、銀行への返済予定です。
銀行への返済予定は、資金繰り計画に織り込んでください。
この資料があるとないとでは、印象は違ってきます。
資金繰り計画を使って追加融資の返済をしてもやっていけるのだということをわかってもらうのです。

以上の努力をすれば、貸してもらえる可能性はぐっと高まります。
うまくいけば、低金利、長期返済の無担保、無保証融資を調達することができます。

general

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