創業融資の面談は、税理士に同席してもらったほうがよいのですか?

この記事を書いた人
工藤聡生

公認会計士・税理士
元銀行員、20年にわたり、創業融資、銀行融資、VCからの資金調達を支援てきました。資金調達の累計額は、100億円以上です。

創業融資の面談でうまく答える自信がありません。面談には、税理士などの専門家に同席してもらったほうがよいのでしょうか。

日本政策公庫の融資審査担当者から聞いたお話をそのままお伝えします。
『社長さんがどうしても不安な場合などは、同席は可能ですが、社長さん一人のほうが担当の心証はプラスに働くと思います。経営者自身が計画内容について説明できることが前提だからです。会計事務所担当者が説明するとマイナスです。また、信用情報など個人情報に関わる質問をする場合は、席を外してもらうこともあります。いずれにしても、同席してプラスになることはないでしょう。』

都内でもっとも融資件数が多い支店でばりばり仕事をされている30代の融資担当課長さんの意見です。
『社長さんがどうしても不安な場合などは、同席は可能です』という言い回しから判断すると、会計事務所が、同席してもらっている起業家は、なにか大きな不安を抱えていると判断していることがわかります。税理士の同席は、当初から、悪い印象を融資審査担当者に与えてしまっているのです。

創業計画書の中身は、起業家自身が説明しなければ、マイナスとなります。
会計事務所のスタッフが横でべらべらしゃべると、この起業家は、創業計画書の中身がわかってないなという心象を与えてしまうおそれがあります。
もっと怖いのは、起業家が、会計事務所が説明してくれるものと勘違いして、何の準備もせずに、面談に臨み、マイナス評価を受けてしまうことです。 起業家への評価を上げるためには、会計事務所は、あえて、日本政策金融公庫の融資面談には、同席すべきではないのです。

むしろ、面談をどう乗り切るかではなく、創業者に理解のある担当者を紹介してもらえるかどうかの方が重要です。
融資の審査は、審査項目が多いために審査基準は、日本政策金融公庫でさえ属人的なのです。
ですので、融資は本質的に担当者次第という面があります。

general

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