日本政策金融公庫のマル経融資について

この記事を書いた人
工藤聡生

公認会計士・税理士
元銀行員、20年にわたり、創業融資、銀行融資、VCからの資金調達を支援てきました。資金調達の累計額は、100億円以上です。

日本政策金融公庫が、提供する無担保、無保証融資には、新創業融資制度のほかに、マル経融資といわれる融資制度があります。
耳にされたことがある方も多いと思います。
商工会議所、商工会の推薦をうければ、無担保無保証で借りることができる制度です。
対象は、小規模事業者です。
借入上限は2000万円で、しかも金利も低く設定されています。
特利が設定されており、新創業融資制度よりも金利が低くなることもあります。
無担保、無保証で事業資金を借りられるのが、なによりもの魅力でしょう。
ただ、創業後1年以上、同一会議所の地区内で事業を行っていることが条件です。
そのため創業時は使えません
また、注意していただきたいのは、推薦を受けるために、商工会議所や商工会の経営指導を受けなければなりません。
経営指導の期間は、6ヶ月以上とされています。
ですので、あらかじめ商工会議所や商工会へ加入しておかなければなりません。
この手間と時間がかかるのは、デメリットです。
商工会議所の加入費用は、年額1~2万円と少額なので、まず金利削減効果のほうが大きいでしょう。
審査では、決算書の提出を求められるので、過去の実績を把握されます。
ですので、資金使途や返済能力については、創業融資よりも厳しい目で見られます。
また、審査の過程で、信用情報を照会するので、異動情報があるかたは、審査に落ちる可能性があります。
クレジットカードや、スマホ本体代の支払などで、滞納のある方は、支払いをして滞納期間が伸びないようにしましょう。
中小企業は成長速度が速いので、創業してからすぐに追加で融資が必要となることがあります。
創業当初は、急速に売上がのびることが多く、そうなると、在庫、売掛が膨らみ、人員の補強も必要となるからです。
そんな場合には、この融資制度は、検討には、値します。
経営は総合技術です。
追加の資金調達のことも考えておかないと経営は、つまづくことがあります。
ぜひ、マル経融資という制度を頭の片隅に留めておいてください。

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